去る1月27日(金)に平成28年度の保険者交流会が盛会のうちに終了致しました。
当日は健康保険組合の方々をご招待し、健診施設と賛助会員と総勢88名にご参加いただきました。
メインプログラムの最初には、日立健康管理センタ 副センタ長の中川 徹先生に「健康保険組合保険者が主導する 低線量肺がんCT検診の推進―がん医療費高騰化の荒波を乗り越えてー」と題しましてご講演をいただきました。職域の健康診断での肺がん検診の重要性について、日立グループでの研究や調査の結果を、データを用いてわかり易くご説明いただきました。肺がんCT検査だけでも様々な疾患や症状がわかることを聞き、改めてCTの有用性、必要性を理解しました。聴講者からも、画像などによる見える化の効果は高い、早速健診内容に追加するという一方、推進はしていきたいがコスト面や読影医師の問題など今後まだ課題も多いとの意見もありました。
続いて、公益社団法人地域医療振興協会地域医療研究所 ヘルスプロモーション研究センター長の中村 正和先生に「事業者・保険者と健診機関がコラボした禁煙推進」についてご講演をいただきました。
喫煙と様々な疾患のリスクや関連性、健診当日の短時間の禁煙介入の流れや効果について、また健康保険による禁煙治療(カウンセリングと薬物治療)の効果検証では、治療終了直後も9か月後も5回すべて受診した人は継続禁煙率が高い結果が出ており、一定の効果が期待できるのに禁煙治療を利用する割合は2割に満たない現状があり、事業者と保険者、健診機関のコラボで実施できる対策を推進していくことの重要性が説明されました。今後の禁煙率向上のためには薬物治療の充実と指導者教育(カウンセリングのスキルアップ)が求められているとのことでした。